TRANSECとは【用語集詳細】
TRANSEC(Transmission Security)は、米国防総省で定義されている通信保全(COMSEC)の下位分類を示す略語です。 日本語では「送信保全」等と訳すことができます。
TRANSECは送信(データの発信)に対して行われるセキュリティ対策の総合であり、通信の傍受、妨害、欺へんあるいは信号パラメータやメタデータの解析を通じたインテリジェンスの獲得といった敵の活動から送信を保護する方策を指します。
具体的なTRANSECとして、無線通信における周波数ホッピング(FHSS)や直接スペクトラム拡散(DSSS)等が挙げられます。
これらの技術は、無線を送信する際の周波数を短時間で切り替えることにより、特定周波数帯を狙った電波妨害や傍受を回避するために用いられます。
例えば米軍やNATOその他の同盟国で運用されている対電子戦デバイスであるハブクイック(Have Quick)は、周波数ホッピングによる対空無線通信を実現することで敵からの通信妨害を阻止します。
TRANSECで利用される周波数ホッピングや直接スペクトラム拡散等の技術は、ワイヤレスネットワークの規格であるIEEE 802.11にも規定されています。