Raspberry Robinとは【用語集詳細】
Raspberry Robinは、自己増殖するワームの機能を備えたマルウェアです。
2022年10月にMicrosoft社が警告を発して以来、多数の組織およびデバイスに対して感染拡大を続けています。
偽装されたLNKファイルを格納したUSBメモリを通じた感染のほか、FakeUpdateマルウェアによる追加インストールを通じた感染が確認されています。
PCやサーバーを侵害したRaspberry Robinマルウェアは、IceIDやBumblebee、Truebot、SocGholishなどのマルウェアおよび、Clopランサムウェアをインストールすることがわかっています。このことから、Raspberry Robbinは、ランサムウェア運用者に対してコンピュータへのアクセスを提供するイニシャルアクセスブローカーが運用していると考えられており、著名なサイバー犯罪組織であるFIN11やClopとのつながりが推測されています。
このマルウェアは、侵害済みのQNAPインスタンスから主要コンポーネントをダウンロードすることで動作します。
高度な難読化が施されている他、自身が実行される環境を検知し、サンドボックス環境下では偽のペイロードを実行することで分析や解析を回避する能力を持っています。
その他にも、TrendMicro社の解析の結果、Torクライアントを用いた内部およびC2サーバーとの通信機能や、WindowsのUAC機能をバイパスする技術を利用しています。
Raspberry Robinの設計はDridexと類似しているため、ロシアのランサムウェア組織Evil Corpが関与していると考えられています。