電子計算機損壊等業務妨害罪とは【用語集詳細】
電子計算機損壊等業務妨害罪は、コンピュータに対するサイバー攻撃によって実害が発生あるいは発生させる可能性がある場合に成立する犯罪です。
サイバー犯罪である不正アクセスや電磁的記録不正作出が、行為そのものを処罰するのに対し、本罪はサイバー攻撃の結果生じる実害に焦点を置いています。
この罪は、業務に用いられるコンピュータに対して、虚偽の情報や不正な指令を用いた加害が行われ、当該コンピュータにおいて動作阻害が発生し、業務妨害を引き起こす、あるいは引き起こすおそれがある場合に成立します。
これまでの判例や学説では、IoT機器やパチンコ台などは本法律が定める「電子計算機」に該当しないとされてきましたが、今後の解釈変更についてはまだ明確化していません。
また、オンラインゲームに対するチート行為が、運営側サーバの監視・チート検知業務に係る負荷を増大させるとして、本罪で訴追される判例が存在します。
2023年1月には、元勤務先のサーバーに不正アクセスし、嫌がらせ目的で業務用データを削除した男が、不正アクセス禁止法および本罪の疑いで逮捕されています。