通信の秘密侵害とは【用語集詳細】


通信の秘密は、憲法第21条および電気通信事業法第3条、第4条などに定められています。通信の秘密は、その中身を問わず、通信そのものを秘密とみなして保証することを目的としています。通信の秘密は私人のプライバシーの保護、思想表現の自由の保障と密接に結びついているため、電気通信事業者を対象とした各法律において厳格に定められています。
通信事業者が、通信の内容または通信メタデータ(発信元と発信先、日時といった通信そのものに関するデータ)を知得、窃用、漏洩した場合に本罪が適用されます。
2018年、海賊版漫画サイトへのユーザーのアクセスを遮断(サイトブロッキング)するよう、政府が通信事業者(ISP)に要請した際には、憲法に定められた、ユーザーの通信の秘密を侵害するとして大きな論争が生じました。
なお類似の例として、児童ポルノに対するサイトブロッキングに際しては、政府ではない第三者機関であるインターネットコンテンツセーフティ協会(ICSA)がブロックリストを作成するなどの手続きを踏んでいます。