データの状態とは【用語集詳細】

データの状態(State of Data)とは、データ・セキュリティや暗号化において用いられる、対象データの状態を示す概念です。
デジタル・データの状態は、一般的に以下の3つに分類されます。
- 保存データ(Data in Rest)
- 転送中のデータ(Data in Transition)
- 使用中のデータ(Data in Use)
保存データとは、データベースやストレージなどに保管されているデータを指します。保存データの保護には、暗号化や、オフライン・バックアップの作成、デバイスの保護、アクセス制御などが導入されます。
転送中のデータは、ネットワーク間を移動するデータを指します。転送中のデータ保護には、リンク暗号やエンド・トゥ・エンド暗号が用いられます。具体的なプロトコルとしては、暗号化機能を備えたHTTPSやFTPS、SCP、SSH、RDPなどが該当します。
使用中のデータは、処理中のデータを指します。データの処理は通常平文によって行われます。よってデータ保護のために、処理機構自体を隔離したセキュア・エンクレーブや、暗号化機能を独立したモジュールに集約したTPMなどが用いられています。
セキュリティ管理者は、データの状態に応じた適切な対策を実施する必要があります。
NCSCは、デバイスセキュリティ・ガイダンスにおいて、保存データおよび転送中のデータに関する対策ガイドラインを公開しています。