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セキュリティのデザイン:「アート思考」で創造力を働かせ、「デザイン思考」で実現する

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セキュリティのデザイン:「アート思考」で創造力を働かせ、「デザイン思考」で実現する
皆さん、こんにちは
SOMPO CYBER SECURITYでフェローを務める熱海(あつみ)です。

新年度がスタートしました。4月は何故か緊張しますよね。
特に新入社員の方々は、学校生活からのギャップは大変かと思います。
コロナ禍の中での社会人生活のスタートでもありますし、不安な毎日かと思いますが、先ずは、3日間、次に3週間、そして3か月、1年とカレンダーに印をつけ、頑張った自分を褒めるようにしてください。
辛いこともあるとは思いますが、オンとオフの切り替えが大切です。
僕の日課ですが、朝起きたらカーテンを開けて、太陽の光を10秒浴びることにしています。
自分から意識してカーテンを開けて日光を浴びています。習慣のひとつですが、ここから一日のスイッチが入ります。

「デザイン思考」とは

数十年前の携帯電話の時代では、顔を見ながらの通話(テレビ電話)機能は限られた機種と回線の能力に頼っていました。
「こんなことができたらな」「こんなものがあればいいな」といつも未来に憧れを抱いていたものです。正直未来を感じさせるものはなんだって良くて新しいモノが出てくるたびにワクワクしていました。

技術の進化で、自分たちのニーズは簡単に満たされるようになり、あふれるほど提供されるモノの中から、欲しいモノを選び取るようになりました。
ユーザーは少しでも使いにくいモノには見向きもせず、受け身だったものが能動的に変わってきたということです。この部分が大きく変わり、誰に提供するモノなのか。どんなモノが欲しいのか。どういうモノを作るかなど、ユーザーの視点に立ってユーザーのことを考えなければモノが届かない、売れない時代となり、それに対処する考えが「デザイン思考」と言うことです。

「アート思考」とは 

「アート思考」とは、アーティストが作品を生み出す過程における考え方の事ですが、アーティスト的な考え方が、ビジネスの創造に大きく関係があるとして、ビジネスの世界で注目されてきました。自分なりの考え方でいいんだということです。
そこから自分はどう思うのかという感想を思い浮かべ、さらにそこから自分はなぜそう思うのか、と掘り下げていくことで真理に近づいていきます。
「アート思考」は、正解がないことに対して正解を出そうとするのではなく、自分の新しい発想を浮かべることが大切になります。

上手く言えませんが、今ある現実が当たり前でなく、他の可能性もあることを心に留め、ある意味、物事に疑ってかかるということが必要ということです。

正解の形が決まっていないビジネスの現場で「アート思考」が重要であることが理解できると思います。 

デジタル戦略には「アート思考」が有効か

2006年ころの放送業界の話ですが、デジタル技術によって映像クオリティは一段と上がりテレビがブラウン管から液晶の大型化になっていく年でした。
さらにインターネット回線もADSLから高速光回線を家庭でも使えるようになり、常時接続のインフラ環境は放送局にとっても大きく変わるきっかけとなったことを覚えています。
そして視聴者はただテレビを見ているだけでなくデータ放送を通じて番組に参加したり、パソコンからのメッセージが番組に反映されたり、デジタル技術がこんなに良いものかと感心した年でした。
当時の放送デジタル技術では、既存のものを使ったアイデアがサービスに変わっていきましたが、色んな制限の中での試験的なものが多かった気がします。
このような時期に仮に出来ないことでも2022年になってみると簡単に実現しています。未知のもの、やりたいことを考え創造していくことが大切で「アート思考」が優先してもいいのではないでしょうか。 

「デザイン思考」はプラモデルが上手く出来る感覚

デジタル技術は、番組を制作する現場でも大きく変わってきました。

当時は、このデジタル技術を使った番組コンテンツ開発があったのですが、何か変わった番組を作ることを目的にしたものではありません。
あくまでも目の前にある設備を使うというのが前提になります。まるでプラモデルを正確に作る作業のようなものでした。

僕が注目したのは、映像の圧縮技術によってハイビジョン映像が民間の光回線で伝送できるようになった事です。現在、全く驚きませんが当時はそうだったのです。

これらの伝送技術を使ってコンテンツ開発につなげていかなければありません。

僕が取り組んでいた仕事は、この「デザイン思考」の考えだったのかもしれません。

写真-1   雑誌の付録だったのに

下の写真は、ミニカーをリアル現場において楽しめるBOXを自分で制作し、仕組みが分かるものです。

写真-2 背景を選ぶ 写真-3 手作り額縁
写真-2   背景を選ぶ 写真-3  手作り額縁

ジオラマを精密に作って楽しむやり方はありますが、そこまでする気もなく、簡単に工作が出来るものを考えました。
本物とのサイズ感を合わせ小さな箱を作り、乾電池を使ったLED照明と、背景はインターネットから海外の風景を印刷してパネルに貼り付け、その風景を交換し車に合わせリアル感を出したものです。
ミニカーの数を増やす醍醐味はありますが、背景を着せ替えすることで楽しみ方を変えようとしたものです。
ミニカーを集めケースに並べることは、計画的に出来ることで「デザイン思考」的な考えで、着せ替えBOXは「アート思考」の考えが優先しているのではないかと思います。

写真-2 背景を選ぶ 写真-3 手作り額縁
写真-4   お好みの車と背景 写真-5  完成

まとめ

 「デザイン思考」では、問題解決に向けて最も重きを置くところは、ユーザーの「共感」、「満足」にあり、問題の定義付けと解決意図を明確にした上で、試行錯誤を繰り返しブラッシュアップしていくことかと思います。
意識して欲しいことは、そこでは失敗したらどうしようという意識を持たないほうが良いという事です。
デザイン思考とアート思考にはメリット、デメリットがあり一言では言えませんが、従来の固定観念を取り去り、前例にも捉われない思考は共通しているのではないでしょうか。

熱海 徹 セキュリティのデザイン過去記事一覧

熱海 徹 プロフィール

SOMPO CYBER SECURITY
サービス推進部 上席フェロー
熱海 徹(あつみ とおる)
  • 1978年4月 日本放送協会入局 システム開発、スタジオ整備、スポーツ番組に従事
  • 2013年6月 本部・情報システム局にてサイバーセキュリティ対策グループ統括
  • 2016年6月 内閣府 SIP推進委員、セキュリティ人材育成WS委員
  • 2016年7月 一般社団法人ICT-ISAC-JAPAN事務局次長
  • 世界的スポーツイベントに向けて放送業界セキュリティ対策に従事
  • サイバーセキュリティ対策推進や経営層に向けたセキュリティ対応策について数多くのセミナー・イベントに登壇
  • 2018年9月 SOMPOリスクマネジメント株式会社に入社
  • サイバーセキュリティ事業のサービスに関する研究開発、技術評価、サービス企画開発等の統括、セミナー・イベントに登壇
  • 2019年7月 経済産業省 産業サイバーセキュリティ研究会 有識者委員
 
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