エアギャップとは【用語集詳細】
エアギャップ(Air Gap)とは、2つのシステムが物理的にも論理的にもつながっておらず、隔絶している状態を示します。転じて、インターネット上から完全に隔絶させるセキュリティ対策を意味することがあります。
エアギャップ対策を施された情報システムは、インターネットを通じた遠隔での攻撃に晒されることがないため、一般的にセキュリティレベルが高いと考えられています。
一方、このようなシステムを狙って、ソーシャルエンジニアリングや、ドライブバイ攻撃、電磁波などを利用した攻撃、隠れチャネル攻撃が行われることもあります。
秘密を取り扱う軍事システムの一部は、インターネットや商用回線から完全に隔絶したネットワークを利用しています。また電力・エネルギーや核施設、金融業界など重要インフラについても、エアギャップ規則やエアギャップ対策を施しているケースがあります。
しかし、2010年に明らかになったイラン核施設へのサイバー攻撃では、出入りの役務業者を経由してマルウェア(Stuxnet)が配送され、外部から隔絶した遠心分離機装置が破壊されています。
エアギャップに対する攻撃方法の研究は今も盛んであり、一例として2023年に韓国の大学が発表したCASPERがあります。これはエアギャップ・マシンに内蔵された内部スピーカー(ビープ音等を発するスピーカー)から発信される微弱な高周波音声を、隠れチャネルとして利用しデータを窃取する手法です。