OSC&Rとは【用語集詳細】

OSC&R(Open Software Supply Chain Attack Reference)は、MITRE ATT&CKを参考に、ソフトウェア・サプライチェーンにおける攻撃者のTTPや振る舞いをマッピングした公開フレームワークです。
このフレームワークは、セキュリティベンダーOX Securityを中心とする、大手ベンダー役員等約20社からなるコンソーシアムによって創始されました。
ソフトウェア・サプライチェーンは、ソフトウェア開発ライフサイクルを構成するあらゆるコンポーネントを指す言葉であり、オープンソースやライブラリ、開発環境・ツールなどが該当します。
OSC&Rは、近年増大しつつあるソフトウェア・サプライチェーンの脅威を理解するために作られたフレームワークです。
このフレームワークは、ソフトウェア・サプライチェーンを狙う攻撃者の振る舞いを包括的かつ体系的に記述し、実際の対策に活用できる(Actionable)ように設計されています。
OSC&Rを普及、発展させることにより、攻撃者についての共通理解を促進し、セキュリティ戦略・対策やレッドチーム活動の質を向上させることが期待されています。
OSC&Rでは、SBOMになぞらえたPBOM(Pipeline Bill of Materials)のコンセプトに基づき、攻撃者のキルチェーンを以下のとおり開発ライフサイクルに沿って分類しています。
- 偵察
- リソース開発
- イニシャルアクセス
- 実行
- 持続性確立
- 特権昇格
- 防御回避
- クレデンシャルアクセス
- ラテラルムーブメント
- 収集
- 抽出
- インパクト
PBOMは、オープンソースセキュリティやCI/CD、コンテナなどの開発条件に応じた具体的な攻撃手法を集約・整理し提示します。
OSC&Rは2023年3月よりGitHub上で公開されています。