ベースラインとは【用語集詳細】

ベースライン(Baseline)とは、情報システムの重要性に応じて規定されたセキュリティコントロールの最低基準です。
情報システムには、その機能や取り扱うデータに応じて重要度が振り分けられます。例えば重要度:高、中、低といった分類に応じて、組織は対象システムの運用に要求する最低限のセキュリティ対策を規定します。
ベースラインが定める要件には、例えば施設セキュリティのレベルや、必要な暗号アルゴリズム、認証パスワードの強度、ログの保存期間、アクセス制限、などがあります。
ベースラインの設定により、重要性や優先度に応じたセキュリティ対策の実装が可能となり、また異なるシステムで統一された基準を提供することによるコスト効率化が実現できます。
ベースラインの例として、米国が用いるUnited States Government Configuration Baseline(USGCB)や、エストニア国家情報システム庁のITベースラインセキュリティシステム(ISKE)などがあります。
別の用法として、アノマリ検知型のIDS・IPS等のセキュリティツールを運用する際に、正常と規定される状態をベースラインとも呼びます。この場合、システムやネットワーク上の異常を検知するために、ベースラインの確立が必要となります。