セキュリティのデザイン:予算獲得方法のデザインとプレゼン方法について

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SOMPO CYBER SECURITY

B!

SOMPO CYBER SECURITYでフェローを務める熱海(あつみ)です。
2022年がスタートしました。

みなさん、自分の目標に向けて活動を始めていると思います。まさか、理由をつけて先延ばしをしてはいませんか? 明日から頑張ろうではいけません。
とは言っても、少し手を休めてお茶でも飲みながらコラムをお読みください。(笑)

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目次

予算獲得のプランデザインについて

会社で新規事業の計画を立てる場合、それに伴う予算確保(budget)が影響しますよね。

予算=経費ですので、誰でも分かりますが、最終的には売上に繋げるためのものにならなければいけません。計画する上でも、実現できるかどうか、成果を出せるかどうか、曖昧なものには予算確保が難しいという事です。

予算を確保すること自体が計画の第一歩であり、僕の場合は、成功し祝杯を挙げる夢をよく見ました。
夢=イメージになりますが、夢って結構大事だと思います。どこまでが成功かは知りませんが創造することは自由ですので、何らかの形にしてみることをお勧めします。

僕は絵を描くのが好きだったので、計画のシナリオはいつも漫画のようなデッサンでした(どこかでお見せ出来ればと思います)。あくまでもイメージですので、好きにやれば良いと思います。

写真-1は、普段使っているB5ノートですが兎に角気が付いたら何でもメモと絵を描いていますので、この3倍くらい存在しています。捨てないで残しているので書棚はノートだらけです(笑)。
写真-2は、情シス時代に書いたメモですが、サイバーセキュリティ強化についてです。
8年前のものですが課題は何となくかけますが、注目して欲しいところは、「あるべき姿」についてです。

写真-1   B5ノート 写真-2  サイバーセキュリティ強化

予算(お金)を頂き計画を実行するという事の裏には。この計画からどんな効果が生まれ、またお客さんへのメリットは何があるか?責任も伴う作業なのです。

すいません。釈迦に説法ですよね。「そんなことは分かっている」だとは思いますが、実はこの部分が重要だとは分かっていても抜け落ちた計画案になっていることが多いのです。
「予算獲得のプランデザイン」という意味では、この部分が特に重要となる事はご理解ください。

予算獲得するためのプレゼン方法について

ここからは予算獲得するためのプレゼン方法についてお話しをします。

提案した計画を本気モードにするためには、会社の抱えているリスクの可視化とか、問題点等を見て重点事項の整備として捉えるのが必須ですが、日頃から些細なことでも気にしていないと会社の抱えているリスクを見つけることは出来ません。

下記に重要な事を説明しましたが、兎に角分かりやすい単語で構成することです。
さらに計画による変化のイメージを盛り込むことは必要ですが、世の中の流れを的確につかみ、行政の活動方針を組み込むことがコツになります。

また、プレゼン資料を作る際、技術者の頭だけで考えるのはノーです。

僕もエンジニアですので論理的思考が好きですが、余りにもロジック的な発想をするので上手く説明が出来ない事が多くなります。出来れば、文科系の人間と一緒に対応すると良いと思います。論理的な考えを持っていても、分かりやすい説明になるからです。
勿論そんな環境が全てあるとも思いませんが、僕が成功した事例では、下図のような考えで実施しました。

社内プレゼンのプロセスと段階について

社内プレゼンの段階は「グループ長(マネジャー)→部長→経営層」などの段階で行われます。
各プレゼンでは各階層に応じたメリットを提示することが必要ですが、マネージャーには実現に向けた客観的な情報を伝え、部長層には部門目標達成においてメリットを伝えます。
経営層には、収益性の向上や経営課題の解決がはっきり伝わる内容が大事ということです。

つまり、組織が出来ている流れに逆らわないように積み上げていく作業が必要という事です。
そうしないと、新事業が採用された時に誰も応援してくれませんので。

プレゼンは、話し相手の期待事項に合わせた内容を盛り込む事が重要かと思います。
プレゼンの目的は、プレゼンにより相手を自分が望む行動へと促すことであり、それを踏まえたプレゼンの設計が求められます。

意思決定者までの道のりで仲間を作ることが必須です。

説明時の注意点

最後に
説明で注意して欲しいところですが。

プレゼンの長さも問題になり、役員への説明は5分以内で行っていました。この事業で何が変わって、どういうメリットが生まれるか。将来どうしたいのかの話が出来るように、各自の目標にテーマを作りそのコンセプトのついて拘りを持てるように取り組んで欲しいと思います。

次回のコラムですが、僕が思っているデザイン思考と、タイムマネジメントについてお話ししたいと思います。
では、またお会いしましょう。

熱海 徹 セキュリティのデザイン過去記事一覧

熱海 徹 プロフィール

SOMPO CYBER SECURITY
サービス推進部 上席フェロー
熱海 徹(あつみ とおる)
  • 1978年4月 日本放送協会入局 システム開発、スタジオ整備、スポーツ番組に従事
  • 2013年6月 本部・情報システム局にてサイバーセキュリティ対策グループ統括
  • 2016年6月 内閣府 SIP推進委員、セキュリティ人材育成WS委員
  • 2016年7月 一般社団法人ICT-ISAC-JAPAN事務局次長
  • 世界的スポーツイベントに向けて放送業界セキュリティ対策に従事
  • サイバーセキュリティ対策推進や経営層に向けたセキュリティ対応策について数多くのセミナー・イベントに登壇
  • 2018年9月 SOMPOリスクマネジメント株式会社に入社
  • サイバーセキュリティ事業のサービスに関する研究開発、技術評価、サービス企画開発等の統括、セミナー・イベントに登壇
  • 2019年7月 経済産業省 産業サイバーセキュリティ研究会 有識者委員
 

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