豚の食肉解体詐欺とは【用語集詳細】

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脆弱性診断サービス豚の食肉解体詐欺(Pig Butchering Scam)あるいは豚の屠殺詐欺は、ソーシャルエンジニアリングロマンス詐欺の手法を利用した仮想通貨投資詐欺の一種です。
米FBIによれば、「豚の食肉解体」(Pig Butchering、日本語では豚のと殺(屠殺)、屠畜と訳されることもあります)の呼称は、最終的に詐欺によって大金を詐取するために長期間接触を行うプロセスが、豚を太らせて最終的に解体処理・出荷する屠畜活動に類似していることに由来します。
なお中国語では「Sha Zhu Pan(杀猪盘)」詐欺と呼ばれます。

デーティングアプリやSNSを通じて標的を定め、長い期間をかけて信頼関係を構築し、仮想通貨投資や取引を促す詐欺です。TinderなどのSNSで接触を試みた後、WhatsAppやTelegramなどのプライベートチャットアプリにおいて親密な関係を築き、被害者をだまします。

2019年頃に中国で広まった後、米国でも被害が増大したため、2022年5月にはFBIオレゴン州支局が注意喚起を発しています。
この詐欺を行っているのは中国系の犯罪組織とみられ、被害者とのコミュニケーションには通訳ソフトを利用していると考えられています。

同様の詐欺が西アフリカ諸国でも確認されており、米国コンサルタントを装った犯罪グループが、InstagramやTikTokを利用して組織的な詐欺行為を行っているとの報道があります。

2022年の米国における豚の食肉解体詐欺による仮想通貨投資詐欺被害が20億ドルにのぼったとして、FBIが注意喚起を発しました。
2023年4月には、米司法省がこの詐欺に関連するとみられる仮想通貨ウォレットを摘発し、約1億ドルを差し押さえました。

参考記事:

華僑を狙う中国系犯罪組織とハッカー



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